ヒーローズオブマイトアンドマジックII

(PC/イマジニア/シミュレーション)


そういやここ、レトロゲームを扱ったサイトなんだよねえ………と他人事のように述懐してしまう今日この頃。しかし一応メインコンテンツであるはずのゲームネタの更新は、ここ3年ほど全て殺意の階層で済ませてしまっている為、実質新たなゲームはまったく紹介していない事になる。これは、以前ほどゲームに情熱と時間を割けなくなったというのもあるし、サイト更新に作業感を感じてしまうのが原因。やる気無いなら止めれば? って話なのだが、このまま放置しておいても別に不都合ないしな、というスタンスで今日に至っている。
とはいえその間、まったくゲームをしてなかったかというとそういうわけでもなく、やはり古いゲームが多いものの、ちょこちょことプレイはしていたのである。ただ、サイト更新のする気になるほどハマることもなく、ネタとしては使えそうなものも、ことごとくスルーしてきたのであった。
そんな中、珍しく更新しようと思ったゲームが今回のお題、ヒーローズオブマイトアンドマジックIIである。なんかカタカナで書くとかっちょ悪いが、この方が検索に引っかかりやすいような気もする、という今更往生際の悪い小細工を弄して先に進もうと思う。一応アルファベットでも書いておこう、HEROES of Might and Magic IIだよ?

さて、タイトルを見ておや? と思ったアナタ、なかなか通ですね! と、言いたくなるくらい(今となっては)日本ではマイナーなゲーム(だと思われる)で、マイト&マジックというRPGがある。ウィザードリィ、ウルティマと並んで三大RPGなどと呼ばれた時期もあったが、今となっては昔話。ただ、このマイト&マジック、シリーズで9作出ていて、目立たぬながらも息が長い作品なのである。そして今回紹介するこのヒーローズは、本編シリーズの外伝に位置する作品で、ジャンルは本編がRPGなのに対し、こちらはSLGとなっている。ストーリーの方も一応繋がりがあって、本編でいう6の時代より前の話となる。生憎6は所有はしているものの未プレイのままほったらかしなので詳しい説明はできないのだが、特にそういった予備知識はなくても、このゲームのプレイには何の問題もない。

ゲームの内容は、上に記したようにシミュレーションである。昔主流だったターン制のストラテジーゲームで、自分の手駒となる英雄に手下となるモンスターを従わせて、敵対勢力をことごとく滅ぼせば勝ち、というオーソドックスなものだ。ゲームモードは一つのマップのみをプレイするスタンダードと、ストーリーを追って連続したマップをプレイするキャンペーンがある。但しこのゲームのキャンペーンは少し変わっていて、前のマップで手塩にかけて育てた英雄やユニットを次のマップに持ち越せない。それどころか、英雄に至っては毎回城で雇用するところから始めなければならないので、次のマップでは敵として現れることもあり得るという………。何の為のキャンペーンじゃあ! と、面食らうことしきりだ。

そんなわけで前のマップでいくら頑張っても、次のマップではまた一から育てなおしにはなってしまうのだが、これはゲームシステム上やむを得ない。というのも、手下となるモンスターの能力は固定で種類も限られている為、プレイヤー側の軍団が最初から上位種のモンスターを連れている場合、COM側もこれに合わせなければならなくなり、下位種の存在意義が薄れてしまう事になり、英雄にしても最初っから最高位の魔法が使えちゃったりすると色々と不都合があるからだ。モンスターの能力が固定なら一体どこで戦力に差がつくか、というとこれはもう純粋に数である。各モンスターには与えられるダメージの数値が決まっており、それに英雄やアイテムの修正を加えてモンスターの数をかけたものが敵に与えるダメージとなる。そんなわけで、最弱のスケルトンでも数を揃えれば最強のドラゴンをも一撃で屠ることが可能だ。この数の暴力は、ユニットの能力差を補って余りある威力がある為、プレイヤーは敵よりもいち早く軍勢の数を揃えるか、もしくは敵が数を揃える前に質で圧倒するかを判断して攻めなければならない。


………と、いきなり込み入った話でゲームの全容が掴みにくくなってしまったが、基本的には英雄+モンスターというグループを作って、メインフィールド上を探索し、そこで見つけた資源を元にモンスターを雇って敵を滅ぼしていく、というのが流れである。フィールド上には、モンスターやそれを雇う施設の建造に必要な資材がぼこぼこと落ちていたり、恒久的に資源を産出する鉱山や製材所、英雄の能力値をアップさせる財宝があったり、はたまた誰の所属でもない中立のモンスターがいたりと、そこかしこに何かがある。自ユニットが訪れたことのない地域は当初ブラックアウトしていて見えなくなっており(上記写真右上の黒い部分がそれ)、その見えない所では敵が暗躍しているのである。

当然敵もそこかしこに落ちている資源や財宝を拾って自軍を強化している。早く勢力を伸ばさないと、どんどん敵に資源を奪われてじり貧になるは必定、というわけでターン制のシミュレーションながら、結構スピード勝負な部分はある。しかし、鉱山や製材所はゲームが続く限り(基本的には)資源を産出し続けるので、多少出遅れてもこれらのポイントを抑えていれば逆転することも可能になっている。しかもこれらの場所は敵に奪われても、自軍ユニットをそこに配置するだけで簡単に奪い返せる為、結構頻繁に勢力図が変わりうるのだ。しかし、資源ではなくプレイヤーのユニットや城を直接攻めてきたりもする為、油断はできない。拠点となる城を全て奪われても、フィールド上に自軍の軍団さえ残っていれば、一週間以内にどこかの城を奪うことでゲームを続行することができる。一週間以内に城を奪取する事ができない、もしくは城の無い状態でユニットが全滅した場合はゲームオーバーとなる。尚、ゲーム中の1ターンはゲーム内時間の1日に相当する。


拠点となる城は、当初は上記写真左側のように閑散としているが、資材を蓄えて建設を進めていくと、最終的には写真右のように賑やかなものとなる。プレイヤーは、6種類あるクラス(バーバリアン、ナイト、ネクロマンサー、ソーサレス、ウォーロック、ウィザード)のいずれかの英雄を配下にした状態でゲームスタートするが、そのクラスによって城で生産できるユニットが異なる。上記の城はナイトの英雄の城で、生産できるのは肉弾戦に強いクルセイダーやチャンピオンといったユニットである。


一方こちら左側は、アンデッドのユニットが主体のネクロマンサーの城。右は強力なアーチメイジやタイタンを擁するウィザードの城である。建築等で生産種別を変えることはできないが、敵の城を奪えば、そこで生産できるユニットを自分でも生産できる為、基本的にはあらゆるユニットで自軍を編成することができる。また、ユニットの生産の他、魔法の習得、建物の建築、英雄の雇用も城にて行う。


ゲームに勝利する為に、最終的には避けて通れないのが戦闘である。フィールド上で遭遇するか、城を攻撃するかされるか、ケースはいくつかあるが、勝利条件は敵の全滅というごくシンプルなもの。兵士であるモンスターを指揮する英雄は、直接的には戦闘に参加しないが魔法を使って麾下の軍団を支援したり、または退却・降伏の判断を下すことができる。基本的にはユニットの性能に余程差がない限り、数が多い方が勝つようになっている。ただし、戦闘は各ユニットの持つ速度が早い順に番が回ってくる為、大軍を率いていても、より素早い敵に先手を取られて大損害という可能性もあり、また勝てないのを承知で、強力な攻撃魔法を先手でかけてきてさっさと撤退したりといった戦法もあり、なかなか一筋縄ではいかないようになっている。

上記したように英雄は直接戦闘に参加しないのだが、それに加えて何があっても死なない。負けても在野に下るだけで、しばらくすると敵として登場するか、あるいは自軍の城で雇用ができるようになっている。戦闘時の英雄のコマンドの中に「退却」と「降伏」というのがあるのだが、「退却」の場合は率いていた部下は全滅した上で、次のターンにはすぐ自軍の城で雇用ができ、その英雄が持っていた財宝もそのまま。「降伏」の場合は相手の要求する金を差し出した上でこれまた次のターンに城で雇用ができる。こちらは率いていた軍団もそのままついてくるようになっている。フィールド上で勝てないと思われる敵に攻められた場合に、状況を見て「退却」なり「降伏」なりを選択するのも時として必要になる。もっとも、「降伏」については率いている軍団の内容によって金額が跳ね上がるので余程のことが無い限り都合良く降伏できることはないのだが。


………と、まあ、今時プレイする人もほとんどいないであろうゲームについて、つらつらと書き綴ってしまった(いつもの事だが)。実のところ、このゲームを中古で勝ったのが10年近く前で、それから初めてプレイしたのが3年前なのだが、こないだ久しぶりにプレイしてみたところ、以前挫折したキャンペーンの最終マップをクリアすることができた為、その余勢を駆ってというわけではないが、更新のネタにしてみた次第。元々マイト&マジック本編は、ファミコン版の1とメガCD版の3をプレイしていて気に入っており(2本しかやってない癖に、というツッコミはご容赦)、その後本編や派生作品(クルセイダーズとかレジェンドとか)を買い漁ったりもしている。今回のヒーローズも1~4までは持っているので、ホントは1から順にプレイしたかったのだが、1がDOS/V用(Windows版ではない)で、プレイするのに環境を整えるのがめんどくさくて挫折。そういうわけで2からプレイし始めた次第。ちなみにこのゲーム、ここでは触れないけど、マップエディタ機能やマルチプレイ機能もあったりする。

マルチプレイの対戦も熱いので、持ってる人は時代の流れに逆らって友達と遊ぶといいよ?





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