熱血硬派くにおくん

(アーケード/テクノスジャパン/アクション)




元祖はこちら

えらいご無沙汰の更新なんですが今回取り扱うのは、ひょっとしたらアーケードゲーマーよりコンシューマゲーマーの方に知名度が高いと思われるくにおくん。そう、ファミコンでサッカーしたり運動会したりしていたあの一連のシリーズでございますよ。そのシリーズの元になったのが今回紹介するアーケード版「熱血硬派くにおくん」なのです。ファミコンにも移植はされてるけど、元になった喧嘩アクションよりは、やっぱりファミコンで出てたサッカーや運動会の方で知ってる人の方が多いんじゃなかろうか。あれはあれで悪くないんだけど、新平自身はゲーセンでタイムリーにこのゲーム遊んでいたのでやっぱり思い入れがアーケード版なんですね。というわけでかれこれ一年以上ぶりのゲームレビューのはじまりはじまり。

さてゲーム内容はというと、主人公くにおを操って敵をひたすら殴り倒していくアクションゲーム。全4ステージ。操作はコントロールレバーに三つのボタン、それぞれ左攻撃・ジャンプ・右攻撃となっていて、攻撃とジャンプを同時押しすると跳び蹴り。敵に挟まれている時に自分が向いている方と逆の攻撃ボタンを押せば背後にキックをかまし、ダウンした敵に馬乗りになってパンチをお見舞いしたりといくつか攻撃にバリエーションがある。といってもシンプルなのですぐに覚えられる程度のものばかり。くにおは武器などには一切頼らず、己の拳のみで敵と闘うのだが、相手はなりふりかわず木刀やらバイクやら鎖やらドスやら節操がない。しかも人海戦術で押してくる連中ばかりだから、上手く立ち回って敵を確実に倒していかなければならず、これに時間制限もあるのだから余程手際よくやらないとなかなかクリアできなかったりする。自機はゲームスタート時に一人しかいないので、最初のくにおがやられたら即ゲームオーバー。スコアが30000点に達するとくにおが一人増えるが、コンティニューなんてものはないので慣れない内は結構厳しいかもしれない。




りき なめんなよ、この野郎!

まあ細かい話は抜きにして各面を紹介していくとしましょう。まずゲームをスタートすると熱血高校という恥ずかしいネーミングの学校の前に、白い学ランの男一人と三人の男たちが。三人組の一人が白い学ランの男を一方的に殴り飛ばした直後、どこからともなく颯爽と現れた我らがヒーローくにお。逃げる三人組を「まて、この野郎!」と追っていく。そう、殴り飛ばされた男はくにおの親友のひろし。くにおはひろしの仇を討つべくたった一人で番長(死語)りきが率いるライバルの花園高校の連中と対決するのであった。

一方的に殴られるくにお颯爽と登場逃げるりき達

こうして駅のホームで乱闘が始まるのだが、このステージのボス、りきは最初は手下の闘いぶりを見ているだけで自らは動かない。これは各ステージに共通していることだが、ボスは手下が3人以下になると参戦してくる。手下は武器を持っている奴と素手の奴がいるが、当然武器を持っている奴の方が厄介なので、ボスが出てくる前にこちらを先に倒してしまう方が楽。1面に関していえば木刀をもったスキンヘッドが二人いるので、まずこいつらから片づけよう。体力も素手の連中より高く、倒しにくいが画面右端のホームの切れ目からたたき落とす事ができれば、どんなに体力が残っていても一発で倒せる。これはくにおもボスも同様なので、画面端で敵を落とすことに夢中になって自分が落ちないように注意。

さて、ボスのりきだが偉そうに待ち受けていた割には強くない。近づいてきたところを跳び蹴りの連発で楽勝である。ただ捕まると「なめんなよ、この野郎!」と凄まれた挙げ句にパンチの連打を食らうので間合いはしっかり取って闘うのが賢明。りきがダウンした際に馬乗りパンチをかませると更に楽なのだが、りきの体力ゲージが2以下になってないと、余力があるので押し返されてしまう。まあ最初のステージだけに、さほど苦労はせずに闘えるだろう。


まずはハゲを狙おう挟まれても慌てず騒がずりきとのタイマン勝負


しんじ ざけんじゃねぇ!

どこかで見た光景、再び。今度は見るからにチーマー風の男にボコボコにされるひろし。1面の時は、相手が同じ高校生でしかもライバル高ということもあってあまり状況に違和感を感じなかったが、今回は何故ボコられてるのだろう? そして我らがヒーローくにおには、友の受難を未然に防ぐという発想がないらしく、今回もひろしがノックアウトされた直後という、絶妙のタイミングで登場。これはもう狙ってるとしか思えない。ひろし、友達選べよって感じだ。

今度は暴走族無抵抗主義ひろしあとちょっと早ければ・・・

2面はとある埠頭での闘いになる。殴り合いになる前にまず、バイクに乗って襲ってくる雑魚共と闘わなければならない。バイクが直前まで近づいたところで上手く跳び蹴りを当てて倒していく。五人ほどバイク野郎を落とせば、背後に控えていた手下達が襲ってくる。例によって素手の敵と武器を持った敵がいるので、面倒なら画面左端の海に叩き落としてしまおう。ここでも自分が落ちないように注意。

この面のボスは暴走族のしんじ。闘い方は1面と同じでOK。捕まるとりきと同じようにパンチの連打をしてくるし、ある程度の間合いがあると回し蹴りも使ってくるが、やっぱり跳び蹴り当ててれば簡単に倒せてしまう。ボス自体は全然大したことないのだ。が、最初のバイク野郎達との闘いからずっと制限時間がカウントされていっているので、時間切れだけには注意。


まずをバイク野郎を始末しんじと手下達倒したんだけど・・・


みすず なめてんじゃねぇぞ?

今度はスケ番・・・・・・・一体何故そうも狙われるのだひろし。そしてタイミングを見計らって現れるくにお。お約束過ぎてもうツッコム気にもならない。しかし番長といいスケ番とい、今じゃもう聞かないなぁ・・・・・・。

スケ番からも殴られるやはり間に合わないというか絶対計画的だ

3面は繁華街。この面の手下は皆武器を持っている。カバンと鎖だが、鎖を持った女は体力少ないので一度タウンさせただけで倒せる。ボスが出てきた時に残っている雑魚は極力弱い方が楽になるので、ここは倒しやすいからと鎖女ばかり狙わず、カバンを持ったマスク女を集中して倒そう。この面の雑魚は女なので体力が低いが、その代わり武器を持っているので殴られると痛い。囲まれないように確実に倒していこう。

そしてボスのみすず。見るからに威圧感を覚える巨体の持ち主。捕まると往復ビンタと頭突きを食らった挙げ句投げ捨てられてしまう。が、ここもやはり跳び蹴りだけで楽に勝ててしまうのである。といってもりきやしんじと違ってその場で跳び蹴りをしても、よけられてしまうことがほとんど。みすずはくにおとの間合いが遠いとダッシュして一気に間合いを詰めてくるので、そこを待ちかまえて跳び蹴り。これの連続で体力ゲージが2になったら、すかさず馬乗りパンチでKO。相手が女だからなどとは言っていられない。そろそろ制限時間の存在が恨めしく思えてくるだろう。


背負い投げ炸裂刑事じゃないスケ番女だろうと容赦なし

さぶ ぐあー!

最終面はヤクザ・・・・・・・ホントになにしたんだ、ひろし。しかもこれまでどれだけボコられても不屈の闘志(?)で立ち上がってきたひろしだったが、最終面にしてついに名誉の戦死!! ・・・・・・か、どうかはわからんのだが、でもさ、ドスで刺されてるんだもん。死ぬよな普通。結局最後まで友を助けられなかったくにおは、ついにヤクザと全面抗争に・・・・・・・! って凄い展開だな、このゲーム。

ついにヤクザ登場ひろし、戦死助ける気皆無

最終面はヤクザの事務所前と事務所内の2部構成になっている。しかし制限時間は事務所前と事務所内併せてのものなので、正直時間が相当厳しい。ここは一人犠牲にするつもりで確実に事務所内に突入するべきだろう。まずは事務所前にいる雑魚四人を倒さなければいけないのだが・・・・・・・こいつら全員ドスを持っていて、これにやられると体力がいくら残っていても一発死なのである。この面の敵は全て一発死の武器を持っているので、はっきりいってくにおの体力ゲージの存在理由が感じられなかったりする。とはいえスリル満点の最終面、どうやったらいいのかというと、これまであまり多用することはなかったと思われるダッシュパンチ(レバーを同じ方向に二回連続で入れるとできる)で、これで敵は面白いようにダウンしてくれる。ただダッシュしてパンチを繰り出す時に隙ができるので、タイミングを間違えるとドスの一撃でやられてしまうので、単に相手のダウンを奪うだけならパンチは出さないでただの体当たりでも可。しかしいずれにせよ、この戦法だけだと時間切れになりかねないので、隙を見て馬乗りパンチや掴んでの膝蹴りなどを多用してなんとか時間切れになる前に雑魚を一掃しよう。

事務所前の雑魚四人を倒したら、ついに事務所内に突入。画面奥の扉から登場するのはこの面のボス、さぶ。なんと拳銃ぶっ放してくる。当然当たれば一発死。しかし・・・・・・いくらくにおが強いとはいえ、たかが一高校生、しかもカタギの人間に拳銃まで使うとは。これでせめてボスと一騎打ちならばともかく、事務所内でもやはりドス持った手下が四人ほど出てくる。どちらの攻撃を食らっても一発死なのでとにかく敵との間合いと位置には気をつけないといけない。この面ばかりは、これまでボス戦で多用してきた跳び蹴りは使えない。隙が大きすぎるのだ。ここは素早く近づいてひたすらパンチをかましていこう。ボスと雑魚一緒に殴ることが出来たら尚良し。ただ雑魚に挟まれないように気をつけよう。さぶ自身は弱いので、囲まれなければ何とかなるだろう。


とにかくダッシュラスボス・さぶ登場体力0なのに!


闘い終わって・・・・・・・あれ?

さぶを倒してついにひろしの仇を討ったくにおがさぶの事務所から出てみると、そこには死んだ(はず)のひろしの姿が・・・・・・! そしてこれまで登場していなかった同じ熱血高校の仲間達が! 加勢しろよおまえら・・・・・・・・と、言いたいところだが、いつもひろしがやられるのを見計らっていたくにおにはそんな事を言う資格もなく、欺瞞と不信に満ちた表面上だけ熱い握手(シェークハンド)をひろしと交わすのであった。これで一応ゲームクリアとなってエンディング・・・・・・・。

にはならず、まるで何もなかったかのように二周目が始まる。ただ、二周目からはひろしがKOされるデモがカットされているので、くにおに敗れた連中がただ純粋に報復しにきたと考えるのが妥当なところだろう。いずれにせよ、くにおの闘いは続くのであった。


加勢しろおまえら何食わぬ顔で二周目裏番・総番・大番・・・

というわけで駆け足だったが、どんなゲームか多少はわかってもらえたでしょうか。後にドッヂボールやらサッカーでこみかるな芸をしてくれる我らがヒーローくにおくんも、最初はこんなにツッパっていたのです。ちなみにこのゲームを作ったテクノスジャパンという会社は、このゲームのヒットに勢いづいてその後くにおを主人公としたゲームを何本も発売、それぞれかなりのヒットだったようで一躍大企業の仲間入りか・・・というところでバブル崩壊の煽りを受けて倒産。余談だが社長の名前は「くにお」だそうで・・・。ああ、無情。

最後になりましたがくにおシリーズについて。シリーズの元になったのがここで紹介している「熱血硬派くにおくん」であることは前述したとおり、ではそれ以後に出た他の作品はどんなのがあるのかというと、何故かキャラがディフォルメ化されてサッカーやったりホッケーしたりしてます。発売された機種も基本的には任天堂マシンだけだが、ファミコン・スーパーファミコン・ゲームボーイなど。全てカウントすると20作以上にものぼるロングランシリーズなのだ。しかしこのシリーズも製作していたテクノスジャパン倒産により、もはや新作が出ることはなくなってしまった。と、思いきや来年に新作が出るそうです。テクノスジャパンじゃなくてアトラスから。新平自身は初代のくにおくんとその次に出たドッヂボールくらいしか思い入れがないんだが、この頁を書くにあたって情報収集していたら、そんなニュースを見つけてびっくり。ファンサイトもたくさんあるし、根強い人気を誇ってるなと再確認。このシリーズに興味のある方は色々と調べてみると面白いかもしれませんね。






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