ロッキー

(セガマークIII/セガ/スポーツ)



シルベスター・スタローン


今は昔

毎回毎回個人的な事ですいませんが、最近あまり映画を見なくなりましてのー。まあ元々劇場まで足を運んで見るってのがあまりなかったんですが、それでもテレビでやってる洋画劇場なんかは昔は別段有名な作品じゃなくてもビデオに録画とかしてたんですわ。つーても録画したらしたで安心してしまって見ないままお蔵入りってのが結構あるんですが・・・・・・・バック・トゥ・ザ・フューチャーの2と3いい加減見るかぁ。・・・・・・・って、それはまあいいとして今回紹介するのはシルベスター・スタローンのヒット映画ロッキーを題材にしたボクシングゲーム、その名もまんまロッキー。

と、ここまで書いてふと思ったのだが、映画ロッキー全五作で最初のロッキーが公開されたのは1976年。そしてこのゲームが出たのが1987年。ゲームの方は映画の一作目から四作目までを元にしていてロッキー4が公開されたのが1985年。年数の羅列で申し訳ないが今が2001年だからかなり昔の作品なんだよね、映画もゲームも。主演俳優のスタローン自身は盛りは過ぎたとはいえ、まだまだ見かけるけど、ロッキーという映画自体知らない人多いのかしらね? というのも二年前に友人とスターウォーズエピソード1を公開初日に見に行った際、感動して方々に見に行った事を告げたのだがいまいち反応が悪い。というか年下の友人達(当時20歳前後)のほとんどがスターウォーズの名は聞いたことがあっても見たことないという人ばかりだったからなんですわ。マジかー見たことないのかーお前達はーと当時結構ショックだった記憶がある。だってテレビでもじゃんじゃん流してるじゃんよ? 何故見たことないのかね君達は・・・・・・・。ちなみに一緒に見に行った友人は僕より三つ下だったのだが、むしろこちらの方が珍しいタイプだったのかもしれない。というわけでゲーム自体は知らない人が多くても元の映画を知らない人ばかりだとちょっと歳食った自分が悲しくなるので、映画のストーリーも交えつつ紹介していこうかと。相変わらず長い前置きですね。

というわけでぼちぼち紹介行きます。ロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン)はイタリアの種馬と呼ばれる四回戦ボクサー。要するに無名のボクサーで当然ボクシングでは食っていけないので高利貸しの集金屋なんぞやってます。自他共に認める人間のクズで、ほっとけばそのままクズ街道まっしぐらで映画の本筋がボクシングから借金取立に方向修正せざるを得ない主人公なんですが、ここで運命の女神・・・・・・・ではなくむさ苦しい世界ヘビー級チャンピオンのアポロ・クリード(カール・ウェザース)が無名のボクサーにもチャンスを与えてやろうと選手リストからロッキーを指名。このアポロ、一見イイ奴かと思いきや実は雑魚ボクサーをタコ殴りにして自分の強さをアピールしてやろうという魂胆。とはいえ種馬ロッキーにしてみれば相手の思惑はどうであれチャンスはチャンス。ボクサー崩れで見果てぬ夢を追い続けていたトレーナーのミッキー(バージェス・メレディス)もこのチャンスに飛びついてロッキーと共にアポロ打倒を目指すわけだ。そして血の滲むようなトレーニングの後・・・・・。

 

第一回戦 アポロ


 

ストーリー補足

しかし冒頭でこのゲームが映画の一作目から四作目を題材にしていると書いたが、このゲームでロッキーと闘うのは三人。映画でも四作までで三人。これは何故かというと一作目でアポロと闘ったロッキーは誰もがすぐにアポロによって倒されると思いきや、これが意外な大健闘でついには判定にまで持ち越したのだがここで判定負けとなってしまっているのだ。しかしこの一戦で周囲のロッキーを見る目が180度変わって一躍ヒーローに。ちょっとした余興のつもりでこの試合を組んだアポロはそれを不服として二作目においてロッキーに再び挑戦。八百長試合の疑いも沸き上がってきたために再びリングでアポロと相対するロッキー。これまた激しい闘いの後ついにアポロを倒して世界チャンピオンにのし上がるのだった。つまりこのゲームの一回戦は映画の二作目からということになる。

ゲーム

さてさてこっからはゲームの具体的な話。ゲーム自体は単純至極。殴って守ってかわすだけ。というかこのゲームに関しては防御したりかわしたりする暇あるなら一発でも多く殴った方が断然有利なため、ボクシングゲームとしてははっきりいってファミコンのアーバンチャンピオンより駆け引きの要素がないかもしれない。しかしここでじゃークソゲーかと結論づけてしまうと話が終わってしまうし、紹介してる僕自身は好きなゲームなのでしばらくお付き合いの程を。で、話を戻すと駆け引きらしい駆け引きのないこのゲームでロッキーとその好敵手達との熱い闘いをどう再現するのか。そこで当然キャラによって性能、というか能力の差があるのだが、ゲームスタート時のロッキーはゲーム登場中のキャラの中で最低。さすがは四回戦ボクサー。まあこれから闘うアポロも実はそれにちょっと毛の生えた程度なんだが、そのアポロとの対戦前にトレーニングモードがある。これは各ステージの最初にそれぞれ用意されてるモードなのだが別にすっ飛ばして試合に臨むことも可能。しかしこのトレーニングモードで一定の成果を収めるとロッキーがパワーアップするので是非やっておきましょう。アポロはともかくそれ以後の連中にはトレーニングしてないとおそらく勝てません。ちなみにこのステージのトレーニングはサンドバッグを殴ってパンチ力を高める効果がある。45秒以内に60発以上サンドバッグを殴ればOK。ノルマを大きく上回ればその分パンチの威力も増すので頑張りましょう。タイミング良くボタン押すのがベストだけど単にノルマをこなすだけなら連打でも全然平気。適当にこなしてアポロに挑みましょう。

このゲーム、とことんシンプルに出来ていて基本的にはパンチの使い分けが自由に出来ない。相手との距離でストレートやアッパーが出るという一風変わった仕組みで、ロッキーは基本的に三発ジャブ(フック)を放った後に左ストレート(アッパー)を一発打つという非常に規則正しい攻め方を終始崩さない男なので、これはもうとにかく接近して殴り続けるしかない。というかそうやって殴り続けてればアポロ如き最初のラウンドで2ダウン楽に取れます。3ラウンドあたりまでにカタをつけてやりましょう。このゲームロッキーが敗れればその時点でゲームオーバーになるが、各対戦相手に対し、一回だけリターンマッチ(コンティニュー)ができるので雰囲気を重視する人ならば最初のアポロとの闘いはわざと判定負けに持ち込んでその後に改めて叩きつぶそう。多分めんどくさくなって挫折すると思うが。

第二回戦 ラング



ストーリー補足

映画で言うとロッキー3にあたるステージ。さて、アポロとの激戦と戦い抜いたロッキーはいつの間にか妻子と水入らずの生活をしていたが、そんな彼の前に新たな挑戦者が姿を現す。その名もクラバー・ラング(ミスターT)。っていうかコング。ラングはチャンピオンの座に甘んじて昔のハングリー精神を失ったロッキーを挑発して、ロッキーをリングに引きずり出す。が、すっかりリッチメンになってたるんでいるロッキーは二ラウンドでKO負け。これでまたすっかり落ちぶれたロッキーだったが、前作までの強敵アポロといつの間にか奇妙な友情関係で結ばれていたため、アポロの協力でかつてのハングリー精神を取り戻し、ついにはラングにタイトル奪還の闘いを挑んでこれを3ラウンドでKOする。しかしかつて闘った敵と友情を築き上げて新たな敵に挑むって、ある意味王道ですわな。実はこの映画、主演のスタローンが自ら脚本も書いてるんですが、スタローンも週刊少年ジャンプの漫画家も同一レベルなのかな、これは。

ゲーム

まあストーリーはその辺にしてまたまたゲームの方ですが、このステージのトレーニングはパンチングボール。サンドバッグの時よりはパンチのタイミングに注意しなければならないけど、ノルマは秒間二発でボールを殴ればクリア。これをクリアするとパンチスピードが上がってラング戦が大分楽になります。が、このパンチングボールもノルマを大きく越えればその分パンチのスピードも上がります。ここもノルマ越すだけなら簡単だが、その程度だと次のドラゴ戦がかなり苦しいので死ぬ気で頑張りましょう。といっても最大の秒間7発に到達するには連射機能でも使わないと無理っぽいんだが・・・。で、肝心のラングですがさすがにアポロよりは全然強いのでトレーニング端折ってると勝つのは難しいかも。とりあえずロッキーは上下の打ち分けは出来るので顔面ではなくボディを狙うと比較的ダウンを奪いやすいかと。とにかくひたすらボディに打ち続けていれば、大統領でもぶん殴る男といえどもいずれマットに沈みます。

第三回戦 ドラゴ



ストーリー補足

映画で言うロッキー4。いよいよ三回戦にして最後の敵。その名もイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)。ロシアのボクシングマシーンである。例によってロッキーに挑戦するのだが、ここでちょっと待ったと横からしゃしゃり出てきたのがいつの間にやらロッキーのマブダチにまで昇格したアポロ君。あんなヘタレお前が出るまでもないぜロッキーとばかりに代役としてリングに上がるアポロ。最近すっかりロッキーのトレーナーに成り下がっていたので、ここら辺で名誉挽回とリングに上がるアポロだったが金色のファルコもビックリのドラゴの猛攻の前の文字通り撲殺されてしまった。最初にロッキーと対戦したときの経緯といい、どうしてこう墓穴ばかり掘るのだろうこの男は。とはいえマブダチを殺されたロッキーが黙っているわけがない。ロシアに乗り込んでいって友の仇ドラゴと死闘を繰り広げる。当初はアメリカから来たロッキーに敵意剥き出しだった観客達もその死闘を見ている内に戦闘マシーンドラゴよりもロッキーに惹かれていく。やっぱりお約束の展開で観客を味方につけたロッキーがドラゴを打ち倒すのであった。

ゲーム

というわけで最終ステージ。トレーニングはパンチングミットでこれによってパンチの正確さを上げるのが目的なのだが・・・・・・・・・映画だとラング戦直前で病死したトレーナーのミッキーが何食わぬ顔してトレーニングの相手を務めてます。成仏できなかったのかアンタ。ちなみにこのトレーニングのノルマをこなすことでそれまでフック(ジャブ)三発の後にストレート(アッパー)だったのがフック二発でストレートを打てるようになる。これまでのトレーニングで確実にノルマをこなしていれば相手が金色のファルコ似のドラゴであろうと敵ではない。と、言いたいところだがパンチングボールだけはとにかく頑張っておきましょう。パンチのスピードがかなり影響します。ドラゴはパンチスピードがすべて。当然このステージのノルマもこなしておくこと。さて芸細かくアポロの形見のトランクスを履いて登場のロッキー。ゴングがなったら一目散に接近して必殺の左アッパーかましまくりましょう。くどいようだがトレーニングを充分すぎるほどこなしていれば、やはりドラゴも3~4ラウンドが関の山と言った感じでしょうか。というか真面目にやっててこれ以上の長期戦になる状態だと結構辛いんじゃなかろうか。

エンディング そして新たな闘いへ


友の仇を討ったロッキーは妻エイドリアン(タリア・シャイア)と熱い抱擁を交わしてエンド。映画だとこの後にまだ五作目があるんですが、そっちはゲームと関係ないので紹介は省略。興味ある方はレンタルビデオ屋で借りてください。なかなか情けないロッキーが見られます。それにしてもセガゴールドカートリッジの2メガソフト第二段の今作、グラフィックは大容量なのでさすがに綺麗というか細かいんだが、エンディングを含め余計な演出は一切無し。ストーリーの解説もないので映画を見てない人には何故ドラゴ戦だけロッキーがアポロのトランクスを履いてるのかとか、そういう細かい部分はわからないんでしょうねえ。とはいえシンプルだけどデキは良いゲームなのです。ただ惜しむらくは著作権の関係か、あの有名なロッキーのテーマが使われてないということ。一時期テレビとかで結構使われた有名な曲名だけに残念。そしてもう一つ残念なのが対戦モード。プレイヤー1がロッキー、プレイヤー2がアポロ・ラング・ドラゴの三人の中から一人選んで闘うのだが、この対戦モード、同キャラ対戦が出来ないのはまあいいにしても、キャラの能力差がゲームスタート時の設定そのまんまなのだ。つまりどういうことかと言えば、ロッキーはトレーニングを一切してない状態のまんま。この状態のロッキーでまともに戦える相手といえばアポロくらいのもんで、プレイヤー1が強制的にロッキーと決まっているだけにアポロ以外とはまともな勝負にならないこと必定なのだ。ほとんどテクニックを要しないこのゲームにおいてキャラの性能差は絶対である。せいぜいロッキー対アポロ、プレイヤー2側が手加減してくれてラングと遊べるかな程度だ。が、しかし。それではプレイヤー1のロッキーはどうあっても友達の操るドラゴに勝てないのだろうか? 一応攻略法は存在する。その攻略法とは、リアルファイトでまずドラゴを操るプレイヤーからノックアウトする。これに尽きる。というか他に手はない。試合開始のゴングが鳴るや否や「敵は本能寺にあり!」と叫んで襲いかかろう。もし相手の方がケンカ慣れしている場合はご愁傷様。これも運命と諦めましょう。

余談 その1


最後の最後にゲームとあまり関係ない話を少々。案外ここが一番マニアックな話かもしれませんので興味のある方だけどうぞ。単語説明もここでは致しません。てなわけで話進めますが、最近テレビそのものをほとんど見ないのでわからないのだが、ロッキーも含めシルベスター・スタローンの映画って昔は結構テレビで流れてましたね。しかも民放各局で。で、局が違うと日本語吹替のキャストも結構変わっちゃたりしてて、当然セリフなんかも微妙に違ってくるんですが、声に焦点をあててみると僕の知る限り、スタローンの声は羽佐間道夫・玄田哲章・津嘉山正種・佐々木功など結構色々な人が吹替してます。個人的にスタローンの声は玄田哲章がベストだと思うんだがこれはまあ割とどうでも良い話。ことロッキーに関しては少なくとも上記した三名の内誰が声あてても特に不満はありません。だがしかし。
エイドリアンが松金よね子はないだろオオオオオ
と、思うのです。どこの局だったかは忘れましたがこのキャスティング考えた奴、ある意味偉いです。村野武憲にブルース・ウィリスの声やらせるのと同じくらい偉いです。ちなみに誉めてないです。



………って、書いてたんですが、その後エイドリアンと松金よね子って顔似てるよねって話があって、おおそっくりじゃん!って思って以来、声の不満はなくなりました。でも、村野武範はダメだ。

余談 その2


次いでもう一つ。新平はこのサイトを更新する際に、必要と思われる情報を検索で探します。特別な辞書や資料を用意しなくてもサーチエンジンで調べたいことをすぐに調べられるのがネットの魅力ですが、今回もご多分に漏れず利用させてもらいました。で、その中にロッキーを取り扱ったとあるサイトを発見。見てみるとどうもそこはロッキーのサイトというより、アポロ役のカール・ウェザースをメインに扱ったサイトのようだ。おー渋い趣味してるなあと妙な親近感を覚えつつカール・ウェザースの代表作紹介にあったロッキーの項目を開く。すると・・・・・・。

アポロのハードパンチがうなる
ドラマティック感動超大作


とか書いてありました。ヒヒヒヒヒどう解釈したらそーなるんだ。とはいえ管理人のカール・ウェザースに対する愛が感じられてグッド。僕も自分が入れ込んでいるものに対してはこれくらい言える人間になりたいもんです。しかし最近余所様のサイトで個人的にヒットする事が多くて嬉しい限り。今後こういったセンスの人達に追いつき追い越せの精神でやっていこうと思う所存。






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