ドラゴン・ワン

(SG1000シリーズ/セガ/アクション)


ちいとばかし長い前置き

2001年は個人的にのっけから散々だった。どう散々だったかは別の機会に別の場所で 語るとして、そんな散々な僕の前にまたもや重いニュース・・・・・・・・・・・・・・と感じるには既に若さが足りなかったのかもしれない。そう、セガのハード撤退の報だ。

その報を聞いてさほど驚かなかったのは、セガの経営自体が危ないということを以前から聞いており、なおかつ(今の)ゲーム機自体にさほどの魅力を感じないということが理由の一つに上げられる。とはいえ僕自身ドリームキャストは持っているし、その前のサターンも持っている。なんだかんだいってもも毎回セガのゲーム機を買っているのだ。

さて、毎回と今書いたが、ファミコンなんかと違ってセガのゲーム機は遡れば遡るほど影が薄くなっていくのでもしかするとご存じ無いかもしれない。そこでセガのゲーム機の歴史をちょっと遡ってみる。上記ドリームキャストの前はセガサターン。この辺りまではまだ結構知っている方も多いだろう。そしてサターンの前がメガドライブ。この辺りからぐっとマイナーになる。時期的にはスーパーファミコンやPCエンジンと同時期のゲーム機なのだが、同時期のスーパーファミコンが圧倒的な知名度を占めていたので知っている人は知っていてもやはりマイナーと言わざるを得ない。だが問題はこれから。メガドライブの前のハードはセガ・マスターシステムと言う。このマスターシステムからセガ・マーク3、SG1000II、SG1000と遡っていくのだが、このSG1000からマスターシステムというのが任天堂のファミリーコンピュータと同時期に出ていたハードであり、同時期であるにもかかわらず、いや同時期だからというべきか、知名度は高くない。というか低い。そして今回紹介するドラゴン・ワンというゲームは、この知名度の低いハードに対応するソフトだったりするのだ。マイナー過ぎていきなり読む人が引いてしまうかもしれない。

ホントに長い前置きになってしまったがもう一つ、上記SG1000からマスターシステムまでは基本的に上位互換である。SG1000がちょっとかっこよくなってSG1000IIとなり(機能的に変わったのかよーしらんが)、その後大幅にスペックアップしたマーク3が登場、そのマーク3につけるオプションを標準で搭載したのがマスターシステムといった具合。ソフトもマーク3になってからゴールドカートリッジという大容量の専用カートリッジが登場し、それまでのSG1000シリーズでは使えないのだが、マスターシステムならば全てのソフトが基本的には利用できる。ベーシック関連のソフトは除いて。というわけで基本的にSG1000からマスターシステムまでは一緒くたと考えてもらいたい。で、僕自身はSG1000IIからセガのゲーム機につき合っていたりする。なんだかんだでもう15年以上も前の話だ。




カンフーの達人ドラゴン・ワン

ふう、やっと本題か。自分で書いておいてなんだがこの前置きの長さに飽きて帰る人も出てきそうだな。こっからはいよいよゲームの紹介ですぜ旦那。後少し我慢して読んでくださいや。

さて、この当時のゲーム、しかもアクションゲームにストーリーなどは在って無きが如し、とはいえ一応存在するのだが、一言でいえば主人公ドラゴン・ワンが悪者にさらわれた恋人を助けに行くというもの。いかにもな展開だがこれで十分。要はこれで悪漢共をなぎ倒す大義名分を得たわけで、ゲームが始まるや既に恋人の事など忘れたかの如く戦いまくるドラゴン・ワン。・・・・・・・・・くーっ、かっこいいよ。かっこよすぎるぜドラゴン・ワン! でもパッケージイラストを見ると前方ボサボサファイヤーカットで上半身裸という、ちょっと・・・・・・いやかなり頭の悪そうな主人公の姿が・・・・・・・・・・。えーと、手元のパッケージからイラストを取り込んだので上のTIPから飛んでください。いやしかし。見た目はそんなんだが実際は凄いんだぞ。なんせカンフーの達人だああ。・・・・・・・・・マニュアルに取って付けたかのように書いてあった設定だった気もするが、さすがはカンフーの達人。ザシュ、ザシュっと小気味良い音を立てて雑魚を倒していきます。キックだ! 跳び蹴りだ! 足払いだあああ! 凄いぜさすがはカンフーの達人だああ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、いうか。

 

キックしかできねえええええええ

カンフーってキックしかできないのかああああ! ・・・・・・・この当時のセガのゲーム機のコントローラーはね、一応ね、コントロールキーとボタン二つあるのね(ファミコンで言うポーズボタンは本体に付いてた)、で、その二つのボタンどっち押してもさ、

キックしかでないのよおおおおおお!!

な、状態なわけさ。カンフーの達人っていうよりはさ、キックの専門家じゃないのか? って感じだ。


愛しのマイハニー

さて、肝心のゲーム本編なんですが、これがファミコンのスパルタンXとイーアルカンフーを足して2で割ったような感じ・・・・・・・・・・・・わかんないだろうな。具体的に言うと、面構成が塔のようになっていてその各階にはボスがいるのです。で、各階共に群がる雑魚を倒しつつボスの所に向かうってのがスパルタンX似、出てくるボスはイーアルカンフーチックなわけ。と、勝手に思いこんでますが。実際にはスパルタンXのように1階から順に制覇していく必要はなく、というか面が進むと順番通りに進めなくなってくるのだが、進む順番もデタラメならボスと戦う順番もデタラメでおっけー。一応各階にはボスがいるのだが、無視して上の階に行くことも可能。と、いうことになるとじゃあ別にボス全員倒さなくてもクリアできるんじゃん? って思うかもしれませんがこれはNG。というのも各階のボスが持っている鍵を集めないと、最上階の牢屋(?)に閉じこめられている愛しのカノジョを救出できないのですよ。・・・・・・・・しかし。もう俺は戦いに目覚めたんだ! もうそんな女の事は、

 

どうだっていいんだあああああ!

ってな感じなんだよな実際。いざ助けてみるとなんか偉そうに待ちかまえてるしさ。


ネーミングセンスはかくありたい

そんな偉そうなカノジョは放っておこう。助け出しても次の面に移れば何事もなかったかのようにまた捕まってます。悪党とグルになってるとしか思えません。無視して次ボスの紹介でもしましょうか。さてこのゲーム、最初のステージでは建物が3階までしかありません。面をクリアするごとに最高6階まで拡張されるのですが、ボスは各階に一人。つまりこのゲームに登場するボスの人数は6人となります。ではまず1階のボスからご紹介いたしましょう。

 

棒術使いのボーソー

ええと、別に駄洒落じゃありません。そこ引かないように。続いて2階、


ヌンチャク使いのヌンチャン


・・・・・・・・・・可愛らしい名前だなあ。3階・・・・・・


ワープの達人ワープマン


そのまんまじゃないか・・・・・・・・・・・4階、


謎のロボットRB-TT


これカンフー物じゃなかったのか・・・・・・でも名前のセンスはこの中では唯一まともかも。5階、


分銅使いのフンド


漢字に直せば憤怒? 糞土? いよいよラスボス・・・・・・


透明人間ジョナサン


と・・・・透明人間? しかも何故ジョナサン? 謎は深まるばかりだ・・・・・・・・・・・・・。それにしてもこの安直なネーミングセンス好きだなあ。スパルタンXのつかみ男並だわ。こりゃ。まるで長男だから一郎、3月5日生まれだからさんご、親が五十六歳の時に産まれた子供だから五十六と名付けるようなもので、真似はしたくないがこのセンスには惹かれるものがある。一部のボスはホントに名で体を表してるしなあ。ちなみに各ボスの攻略なんですが、ワープマンとジョナサンは待ちかまえて普通にキック、あとの連中は近づいて下段蹴りしてれば倒せます。なんせ上・中・下のキックの使い分けしかできんし。


記念すべきセガマイカード第一弾

というわけで最後になりましたが、このドラゴン・ワンは全機種対応のセガマイカードの記念すべき一作目として発売されました。セガマイカードというのは要するにそれまでのカートリッジのソフトではなく、フ ァミコンで言えば、ディスクシステムのカード(形状的にはPCエンジンのHuカード、無論マイカードの方が古い)みたいなもんなんですが、セガのはファミコンみたいに専用のシステムは不要でその分容量的にはディスクシステムに及ばなかった。あとSG1000シリーズで利用の場合は専用のカードホルダも必要だったかな。ファミコンのディスクみたいにお店で書き換えもできるという計画もあったようですが実現はせず、とにかく全てにおいて中途半端な存在だったような気がします。が、このマイカードで出されたゲームってのが皆、なかなか味のあるゲームばかりで、追々これらのゲームについても紹介したいなあ、なんて思っとります。ご意見・ご感想お待ちしてマース。




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